
2月、恒例のケーススタディ発表会。3年目ナースの節目として課している課題に彼らが取り組んだ成果の発表会です。当事者たちが選ぶケースは、明らかに看護師として一皮むけた体験事例です。
方法論は、リフレクション。
看護のプロなら、仕事を続ける限り、リフレクションなくして成長はない!自身の不足に気づき、不足を補い、アクションプランを考え、実行する、この繰り返しなのです。
ナースたちは、2年目の後半からリフレクションの形を習い、ケースを選び、リフレクションする場面を考え、リフレクションのフレームを使って文章に書き起こします。それを元に、安全な環境で仲間とリフレクション。実践を評価し、新たなアクションプランを考えるときには、根拠となる研究論文や文献、看護理論、既知的知識を活用します。そして、現場では指導者たちの支援を受けながら、ケースをまとめあげるのです。複数回のoff-JTとOJTにより、およそ1年間をかけて発表会を迎えます。ひとりのナースが体験できることは限られています。発表会は、同僚の一皮むける体験を全員で共有できる貴重な機会です。
集録に目を通すとき、自身と重ね合わせる自分がいます。私より遥かに高い実践力、キラリと光るセンス、私も似たような体験をして自責の念にかられたよ、と共感できる体験、中には看護行為中のリフレクションの描写から、現場の看護力は上がっている、と実感させられる内容もあります。リフレクションが習慣化し、彼らが短時間であってもPNSで後輩とリフレクションすることが根づけば、未来の看護は明るい、と確信します。
さて、現場の看護管理者に視点を向けると、この発表会は、3年目を卒業しようとしている自部署のナースの成長と看護サービスの質がフィードバックされる機会でもあります。発表会では、発表者に向けて、それぞれの上司からコメントしてもらいます。コメントはそれぞれの師長たちの個性が表れ、支援ぶりを肌感覚で感じることができる楽しみな時間でもあります。誰からも粘り強く取り組んだ苦労話が披露され、子供の成長を喜ぶ親のような心境を吐露する師長たちの本音に触れることができ、私は支援者たちに、”育ててくれてありがとう”という感謝の気持にあふれ、胸が熱くなりました。
看護はチーム力。
3月には恒例の成果発表会を開催していますが、来年は各チームの看護実践にフォーカスして、”現場で提供された看護実践の宝”を共有する機会としたい、と思える一日になりました。